黒い壁の民家

主任調査員の金子です。

前回は岡山出張の話を書きましたが、今回も岡山での話です。

岡山の城下町は現在、岡山市の中心ともあって、近代的な街並みに変わっていますが、郊外へ移動すると、古い民家が残っており、趣のある風景をみることができました。

特に東日本ではほとんどみられない、黒い壁の民家が数多くみられました。

この黒い壁の正体は「本焼き板」という杉板の表面を焼いて炭化処理した板で、湿気や塩害に強く瀬戸内地方の民家でよく使用されているものでした。

表面を炭化することにより、燃えにくく、腐りにくくなり、耐久性が高くなります。

「本焼き板」は、この土地に住む人たちが、風土に合わせて編み出した知恵だったのです。

民家に限らず、生活様式・習慣など、さまざまなことが地方によって異なります。

ご先祖調査は一代ずつ先祖の名をさかのぼって行くだけではなく、どのような土地でどのように生活をしていたかを知ることも大事なことです。

現地に行くということは、ご先祖の生活感を肌で感じることでもあります。

岡山でみた「黒い壁の民家」からは瀬戸内に生きる人たちの生活の知恵を感じることができました。